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2011.03.30 京都新聞:嵯峨八景 大和絵屏風に


2011年03月30日 京都新聞朝刊

京都新聞朝刊19面(地域)

展覧会「嵯峨八景図屏風~やまと絵で描く「日本の原風景」~」の取材記事

『嵯峨八景、大和絵屏風に 嵯峨芸大卒業生らが完成』

江戸時代の儒学者貝原益軒(1630~1714年)が京都を訪れた際に選んだとされ る「嵯峨八景」を大和絵の技法で屏風(びょうぶ)に表現しようと試みていた「京都嵯峨八景研究会」が、10年がかりで完成させ、10日まで京都市西京区嵐 山のギャラリー「あーとすぺーす」で展示している。時代考証を行い平安時代の風俗や装束を再現、「峨野春草(がのしゅんそう)」などの言葉から、当時の景 観をイメージして創作している。

嵯峨八景は「峨野春草」「亀峰(きほう)緑樹(りょくじゅ)」「野宮松風(ののみやまつかぜ)」「広沢秋月 (ひろさわしゅうげつ)」「小倉紅楓(おぐらのこうふう)」「清凉晩鐘(せいりょうばんしょう)」「宕嶺積雪(ごりょうせきせつ)」「洪川水鳥(こうせん みずどり)」の八景。四曲一双の屏風(高さ1・3メートル)の合計八つの画面に、八景を描き込んだ。基底材の絹は茶で染めて落ち着いた雰囲気を出し、岩絵 の具や金泥などで色を付けた。若菜摘みや船遊び、鷹狩りを楽しむ貴族や、田植えをする庶民の暮らし、当時の植生なども調べて描き込んだ。

京 都嵯峨八景研究会は、2001年に京都嵯峨芸術大(右京区)の学生たちで立ち上げた「京都研究会」が前身。メンバーが卒業した後も、嵯峨八景研究会として 屏風の制作作業を続けてきた。大和絵の技法を学ぶため、神護寺の「山水屏風」や冷泉家の「月次図屏風」などを見学して研究したという。
研究会の山本真由美代表(27)は「嵯峨野の空間の雰囲気を感じてもらえるような構図にした。絵の細部も見てほしい」と話している。10日まで。午前11時~午後6時(木曜休み、10日は午後4時まで)。問い合わせはあーとすぺーすTEL075(882)4868。

京都新聞2012.3.30

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20110330000049