>> Publications, » » » Essay etc. 


2010.07.30 テーマ草稿「神戸ビエンナーレ2011のテーマ」


2010年07月 神戸ビエンナーレ組織委員会

 

港で出合う芸術祭 神戸ビエンナーレ2011
テーマ:きらkira

kira

21世紀に入り堆積した課題が徐々に姿を現し始める中で、強固なまでに確立した近代のパラダイムが次々と崩壊する今、私たちに求められているのは人間環境への本質的問いかけや新機軸構築への提案でしょう。今こそ精鋭化された芸術文化の力を結集して、輝きある明日を切り開かねばなりません。
神戸ビエンナーレは、日本の、そして神戸の歩みと今の彩りにアートの力を注ぎ、そのキラメキを世界に発信しようとしています。
さまざまな人と世界が「出合い」(2007のテーマ)、互いの「わ」(2009のテーマ)を育み、そしてそれぞれの輝きに気づきはじめる時、神戸ビエンナーレ2011は、テーマを「きらkira」にしました。
神戸を象徴する海の煌めき、心を弾ます街のイルミネーション、通りを彩る花飾り、六甲山からの夜景の宝飾、そして悠久の歴史と異文化に華やぐ好奇へのトキメキ。
神戸は輝きに溢れた光のまちです。オシャレな歴史は、あらゆるものに輝きを与える歴史と風土に恵まれたからでしょう。そして、そこで魅力に満ちた特異な資源と市民気質が培われてきたのです。今回、アートの分野のみならず、まちと市民生活に息づくさまざまな資源や資質に光を当て、見過ごされがちに潜む活力までもが光沢を放つことができれば、まちは華やぎ、そのキラメキは星座のごとく世界を結び、ドラマを生むことでしょう。
人もまちもアートも、一つ一つの輝き(きら)がそれぞれの輝き(きらきら)へと連呼し始め、そのキラメキの中に歴史も環境も越えた新たな文化創生のパラダイムが生まれることを願っています。
神戸ビエンナーレ2011は、今、時代が求めている「きらkira」な世界を求め、そしてまちに展開します。